特別速報レポート

イランからの石油供給をめぐる最近の動向について

執筆者 石油グループ
要旨  12月31日に米国が新たな対イラン制裁関連法を成立させたことで、イラン核開発をめぐる国際的な緊張が高まってきている。今後のイランの核開発をめぐる情勢には多くの不確実性が存在し、予断を許さない状況が続くものと予想されるが、小稿では、イランからの石油供給をめぐる最近の動向について、基礎的な資料・データをまとめた。  
イランからの主な原油輸出先は、中国、日本、インド、イタリア、韓国であり、これら5カ国で輸出量全体の70%近くを占める。従って、これらの国々の米国による制裁への対応が、イランにとって大きな影響をもたらすことになるが、これらの国々においては、サウジアラビアなど他の湾岸産油国からの代替調達の検討や、米国に対する制裁適用の免除要請など様々な対応策が模索されている。今後の事態の展開には多くの不確定要因が存在しているが、国際石油市場におけるイラン原油の存在感は大きく、制裁の強化と石油の安定供給維持との間で、各国にとっては難しい舵取りを迫られる状況が続くと考えられる。
メディア情報 HP (2012年1月20日)
要旨PDF https://eneken.ieej.or.jp/data/4191_summary.pdf
論文PDF https://eneken.ieej.or.jp/data/4191.pdf