理事長挨拶

寺澤 達也

寺澤 達也

 このたび理事長に就任いたしました寺澤達也です。微力ではございますが当研究所の発展に全力を尽くしてまいる所存でございますので、何卒ご指導・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 さて、今、世界は、今世紀半ばまでのカーボンニュートラルに向けて大きく動いております。気候変動への対応が議題となった今年の主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)でも温暖化ガスの排出削減対策が講じられていない石炭火力発電について政府による新規の輸出支援を年内で終了することで合意するなど、脱化石燃料への動きが加速しております。本年11月に開かれるCOP26に向けては、その流れがさらに加速する可能性があります。折しも日本では第6次エネルギー基本計画策定において2050年にカーボンニュートラルを実現するエネルギーシステムに係る検討が進んでいるところですが、エネルギー資源小国である日本にとって、カーボンニュートラルの目標実現は極めて難しいチャレンジとなることは間違いありません。これは、日本だけではなく、今後エネルギー需要が伸びていくアジアなどの新興国にとっても同様の課題であると考えております。

 エネルギー問題と気候変動問題はまさにコインの裏表です。「3E+S」(エネルギー安全保障・経済効率性・環境保全+安全性)というこれまでのエネルギー政策の基軸をしっかりと確保しながら、カーボンニュートラルの目標実現に貢献して行く現実的な道筋を見出して行くことが求められています。

 当研究所は、時代の課題を見据え、エネルギー政策や環境政策について、事実を直視した客観的分析と将来予測を踏まえた適切な政策提言などにより、国内外に確固とした地位を築いてまいりました。今後も内外の政府・産業界・有識者・調査機関等との緊密なネットワークを活用し、カーボンニュートラル目標を踏まえたエネルギー政策の最適解を模索してまいる所存です。そして、当研究所の分析力と発信力をもって、皆さまの政策形成や企業戦略構築にタイムリーに貢献していくとともに、国際社会にも一層積極的に発信できるよう取り組んでまいります。

 設立後55年目を迎え、当研究所は、エネルギー情勢と気候変動問題の中長期的、かつ構造的な変化を頭に描きつつ、調査ならびに政策・戦略提言活動を一層充実させていきたいと考えています。関係各界の倍旧のご支援・ご指導をお願い申し上げます。

             日本エネルギー経済研究所 理事長 寺澤達也                              2021年7月

PDFファイル:寺澤理事長 経歴