本年3月の大震災は被災地のエネルギー供給インフラに甚大な被害をもたらし、原子 力発電所の事故とその後の相次ぐ停止による電力需給の逼迫は、産業のみならず国民
生活にも大きな影響を及ぼしています。さらに、今後の原子力発電の位置づけによっ ては、天然ガス、再生可能エネルギーへのシフトなど、日本・世界のエネルギー需給
に大きな変革をもたらすことも考えられ、原子力発電を巡る問題は、我が国のみなら ず世界各国のエネルギー政策にも議論を巻き起こしました。
今、我が国はエネルギー政策を抜本的に見直す必要に迫られていますが、検討に際し ては国内問題だけでなく、地球環境問題への対応も欠かせません。
当面は化石エネルギー資源に多くを頼るとしても、資源量、調達の安定性など、それ ぞれに大きな課題を抱えており、注目を集めている再生可能エネルギーにも解決すべ
き数多くの課題が残されています。
当研究所が毎夏開催させていただいております『エネルギー・環境夏期大学』につき ましては、現下のエネルギー・環境情勢に深く思いを巡らし、熱い議論を交わすとい
う機会は極めて有意義なものであるとは考えられましたものの、節電への協力とエネ ルギー産業を取り巻く環境を考慮して、苦渋の決断として今年度は中止させていただ
くことを今年5月にご案内いたしました。
これも踏まえ、今年度の本講座は、その一部でも補うべく例年の『エネルギー・環境 総合講座』の体裁を大きく変更致しました。昨年と同じく、各分野の専門の講師陣が
エネルギー源別、あるいはエネルギー産業別に、それぞれが抱える課題、問題点を抽 出し、解決に向けた方向性を探って参りますが、最後に本講座全体のまとめとして、
エネルギー問題を横断的に捉えたパネルディスカッションを開催し、今後の我が国の エネルギー政策はどうなるか・どうあるべきか、ご参加の皆様とともに有意義な議論
を深めて参りたいと思います。
そこで、こうした議論の性質上、例年とは異なり賛助会員の皆様に限定してご案内を することに致しました。
ご参加者の皆様には、是非ともこの討議に積極的に参加していただき、忌憚の無いご 意見を頂きますようお願い致します。なお、初日夕には、講師と皆様との意見の交
換、あるいは他社、異業種の会員の皆様との交流を深めて頂くための懇親の場も設け ております。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
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