拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より当研究所に対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、エネ研の夏の恒例行事となりました「エネルギー・環境夏期大学」のご案内を申し上げます。
我が国を取り巻くエネルギー・環境情勢は、米国トランプ政権の内外政策の展開と中東等の地政学的問題、変動する原油価格、再生可能エネルギーのコスト低下と導入拡大、バッテリー技術の向上と車両電動化のトレンド、国内の原子力再稼働の遅れ、エネルギーミックスとパリ協定下における地球温暖化政策、電力・ガスのシステム改革における市場ルール等、内外ともに予想しがたく、益々不確実性に満ちており、複線的な将来シナリオの方向性を見極めるため議論すべき課題が山積しております。
このような情勢下、当研究所会員企業・団体の第一線でご活躍の皆さまに御参集いただき、『脱炭素化の進展と国内外のエネルギー市場:2050年に向けたシナリオとエネルギー産業の事業機会・リスクを探る』と題し、将来のエネルギー産業の在り方を中心に、活発な議論を展開して頂きたいと存じます。ご参加いただく皆様には、徹底的な討議と考察、そして専門家の講演を通じて、我が国エネルギー産業の将来を展望し、さらにご所属企業の将来戦略を思考するための分析手法、思考力を身につけて頂きたいと考えております。
是非ともご参加頂けますよう、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
また本案内については、貴社・貴団体内に広くご回覧・ご案内を頂けますれば、大変幸甚に存じます。
■夏期大学の特徴と意義
エネルギー・環境夏期大学の最大の特徴は、当研究所が導入、改良を重ねたシナリオプランニング手法を用い、徹底的な議論を行うことにあります。電力、ガス、石油のみならず自動車、商社、金融、鉄鋼など、様々な業界やバックグラウンドを持つ参加者同士で、徹底的な議論を行い、我が国のエネルギーについての将来像を描き出します。自ら発言し、議論を交わす過程から、我が国のエネルギーの将来の姿を見据え、皆様の所属する企業の将来戦略を構築するための分析手法、思考力を身につけることができます。議論をたたかわせた結果として、業界の垣根を越えた数多くの知己にめぐり合えることも、エネルギー・環境夏期大学ならではの、他では得難い機会となっています。
また、当研究所ならではの講演をご用意しています。当研究所の理事長 豊田 正和(とよだ まさかず)が 「第5次エネルギー基本計画と長期低炭素戦略を踏まえた日本の課題(仮)」について、東京大学公共政策大学院教授の有馬純(ありま じゅん)氏が 「欧米のエネルギー・気候変動対策の動向と今後(仮)」について、最新の情勢を講演いたします。
本プログラムは、参加者間の議論を深めるだけでなく、参加者それぞれの視野をおおいに広めることになるものと確信しております。朝から夜までのタフなスケジュールですが、エネルギーについて深く考える貴重な1泊2日となることでしょう
。 (詳細プログラムは下記リンク先をご参照下さい)
■シナリオプランニングとは?
起こりうる可能性のある複数の未来(シナリオ)を想定することにより、不確実性の高い環境の中で、適切な意思決定を行うことを可能にするための戦略決定手法です。石油危機に際して、英蘭系石油メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルが経営戦略策定に利用し、同社が石油危機を他社よりも巧みに切り抜けたことで一躍有名になりました。
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