拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より当研究所に対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、エネ研の夏の恒例となりました「エネルギー・環境夏期大学」のご案内を申し上げます。今回で第40回を迎える当イベントでは、広くエネルギーの業種・企業の枠を超え、国や企業等の中長期戦略を描くための手法であるシナリオプランニングを用い、参加者の皆さまの間でわが国エネルギーに関する徹底的なディスカッションを行い、これを深く考える機会にしたいと考えております。
東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所の事故は、わが国のエネルギー政策・エネルギー産業を大きく揺さぶり、以降の不安定な中東情勢やエネルギー価格の高騰とも相まって、状況は一層不透明感を増しております。こうした難しい情勢下で、確固たる視点に立って、わが国のエネルギーのあるべき将来の姿を見据えていくことは、エネルギーに携わる者にとって、さらにまた所属企業等の戦略を構築する上でも、これまで以上に重要なことと思われます。
昨年は残念ながらこの震災の影響により当イベントは中止のやむなきに至りましたが、その後の復興回復の歩みが着実に強まりつつあります中で、まさに日本の新たなエネルギー基本計画策定がすぐ目前に迫っている今こそ、エネルギーに関わり、関心を有する皆様が、前を向いて、わが国エネルギーの中長期展望を考察していくべき時期であると考えます。
こうしたことから今年の夏期大学では、参加者にもご関心のあるこのトピックスを取り上げ、テーマを『2030年に向けたエネルギーミックスと日本の対応』とさせて頂きました。
ディスカッションでは、エネルギー基本計画でもメルクマールにしている2030年までを時間軸として、今後のわが国のエネルギー・環境問題がどう動き、いわゆるエネルギーミックスがどうあるべきなのか、さらにそれに対する政府や企業、国民の対応といったことについて、業種・組織横断的に構成されたグループに分かれ、当研究所研究員からのコメント・講義も交えながら、参加型の議論・討論をしていただきます。
こうしたディスカッションに加え、受講者の皆さまの視野をより広めていただくため、元IEA事務局長である当研究所の特別顧問
田中伸男(基調講演(『21世紀のアジアを巡るエネルギー安全保障戦略』)、同 計量分析ユニット需給分析・予測グループマネージャー
末広 茂 (『エネルギー基本計画の見直し議論について』)から、それぞれ世界そしてわが国のエネルギーを巡る最新の動向につき講演させていただきます。
また、多様な観点・知見を有する参加者の皆さまどうしが幅広く意見を交わし、相互に交流する場も提供させていただきます。(詳細プログラムは別添をご参照下さい)
エネルギー・環境に関わる各社・各団体の各部門における第一線でご活躍の皆さまにお集まりいただき、活発な議論を通じて、熱気あふれる有意義な夏期大学にしたいと存じますので、どうか奮ってご参加いただきますよう、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
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